物語みたいなものを書いてみます。 |
「DROPS」と名付けられたライト・アートの展示を観ました。
来年の1月15日まで水戸芸術館で行なわれており、 作品は全て屋外から見られるようになっています。 アートについて語るなど野暮なことなのですが、 あまりにも面白かったので、写真と文章にして、 記録として残しておきたいと思います。(ネタバレ注意) 光による表現はいろいろありますが、 僕は、人や物に光を当てるという表現が好きです。 光を当てる角度、ライトの数、光の色を工夫すれば、 対象となる人や物が沢山の表情を見せてくれます。 舞台のように流れがあるものに限りますが、 光による表現で面白いのは「足し算」と「引き算」です。 ひとつの箱を三つのライトで異なる角度から照らすとします。 三つを点ける、二つを点ける、ひとつを点ける場合があるので、 7通りの表現が生まれます。7パターンの陰影が見られます。 さらに、この7パターンから2パターンを選んで流れを つくってみると、42通りの流れが生まれます。 ひとつが点いた状態から三つを点けた状態にする方が、 二つが点いた状態から三つを点けるよりもインパクトがあります。 これが「足し算」です。1+2 > 2+1というわけです。 三つが点いた状態からひとつが点いた状態にする方が、 二つからひとつにするよりもインパクトがあり、ひとつの光が際立ちます。 これが「引き算」です。3-2 > 2-1ということになります。 1~4枚目の写真は、壁に立てられたいくつかの透明な板が、 三つのライトによって地面から照らされるというものです。 ライトは点いたり消えたりして、その順番もランダムです。 色々な影が生まれたり消えたりして、多彩な表情を見せてくれました。 おまけで人も入れてみました。舞台ならどんなシーンに見えるでしょうか。 次の3枚は「モノ」にライトを入れて、中から照らすというもの。 東南アジア風のインテリア照明、という印象を受けました。 光の周りを木の葉が舞っているように見えました。 「モノ」の中にライトを仕込んで照らすというのは面白いと思います。 特に、むき出しの骨組みや鉄筋、パイプが照らされていると面白い。 無機質な骨組み自体が発光しているように見え、 外から照らされる場合とは異なる姿が見られます。 例えば、東京タワーの下部(鉄筋が見える部分)は、 中から照らされています。照らされた鉄筋は赤く、 逆光で陰になった鉄筋は黒く見える、そのコントラストがいい。 次の2枚は、表と裏で大違い。 半透明の箱の中で何かが照らされているのですが… 裏の方がなんだか面白いことになっています。 実際はライト自身の影が右下に映っていましたが、 写真で見ると上手い具合に光の中に埋もれています。 ちょっとした光の生け花ですね。 「穴」から見た世界。これはもうライトとは直接関係がありません。 この穴を空白として捉えるべきか、存在として捉えるべきか… 中に無数の小さな人形があります。それを撮るべきでした。 それはそれとして、グロテスクなドーモくんに見える。 最後の2枚は、唯一の「人を照らす」アートです。 ピンと張った白い布に人を押し当てると凹凸ができますが、 その凹凸を左右から照らしている、といった感じのものです。 もちろん人がいるわけではなく、石膏像か何かなんですが。 やはり青い光が白いモノを一番きれいに染めますね。 光源はテレビ。光の色が変わっているのはそのためです。 実際に見てみると、光の色や影の方向が変化しており、 前衛的なステージ・パフォーマンスを観ているかのようでした。 もしかしたら、本当に人がいたのかもしれない。 最後に「DROPS」とは関係のない、 水戸芸術館のライティングを載せます。 まずは遠くから眺めてみます。 近づきます。水と光の競演。 向かって右上から見下ろしています。 同じく右上から。さらに近づいています。 同じく右上からですが、今度は裏から。光のしぶき。 光の水面がとても印象的です。 足元から壁を照らす光。炎を彷彿とさせます。 2005.12.29
by 4n8f
| 2005-12-29 10:51
| ライト・舞台
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