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物語みたいなものを書いてみます。
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雨のち曇り。太陽が顔を出す気配は今のところない。それでも、冷たい雨がやんだってだけでも感謝しなければならない。どこに? 空に? 空の都合で降ってきた雨がやんだから空にありがとうって言うのは何かおかしいんじゃないの。空も降らせたくて降らせたわけでもないと思うけど。靴が濡れて足が冷たい。この腹立たしさを空に向けてぶつけたいよ。空はそんなこと知らないよって顔をすると思う。どこにぶつけりゃいいの、こういうのって。そんな顔をされたら、もう、何も言えなくなる。いろんなことがどうでもよくなる。



やたらとカラフルな傘立てがすっごい気になる。ひとつひとつは細くて一色なのだけど、それがあちこちにあって、ざっと数えて5色が見える。入り口にひっそり置かれているものだと思うけど、この店の傘立ては自分(たち)が主役だって感じで点在している。ひとつひとつがビビッドで、とても眩しい。ん、もう一色見つけた。これで6色、あと一色で虹だ、虹がかかる。店内をうろついて見つけたい気もするけど、さすがにそれは気が引ける。頼んだカフェラテが来るまではとりあえず待とう。

公園には誰もいない。こんな天気で散歩する人はいないし、ジョギングをしている人もいない。おとなしく部屋にこもっていなさいと言っているような冷たい空気。池の周りを歩いてみる。当然ながらボートをこぐカップルもいない…って、誰も乗っていないボートがぽつんと漂っている。夜中に勝手に乗られて、降りた後そのままにされていたのかな。雨に濡れながら、少しずつ向きと位置を変えている。

ぐるりと見渡してみると、店のあちこちに本が並べられている。あまり広くもないけど、本棚があっても狭いという感じもしない。カフェラテをひとくち飲んでから、本を眺めに席を立つ。離れたテーブルに男の人が本を読んでいるのが見える。その人の後ろを通り過ぎて、本棚を見て回る。歩きながらさりげなく、自分の席から死角になっていた傘立ての色を確かめてみたけれど、新しい色はなかった。どこかに7色目がある、はず。

日本語、英語、ナントカ語。文字がいっぱい並ぶ本、絵本のような文字の少ない本、写真がどーんと載っている本。どこかの国のどこかの街のガイドブックなんかもある。そこの言葉で書かれているので、写真でなんとなく内容を理解するしかない。それでも何を紹介したいかは分かる。晴れた空のもとで、いろんな人が笑っている。こういう写真で雨が降っていたり、不機嫌な顔をしているものってないんだろうな。当たり前だけど。特に読みたいものは無かったので、さっきとは違うルートでテーブルに戻る。7色目は見つからない。

曇りのち…やっぱり曇り。まだ太陽は見えないけども、身体はずいぶん軽くなった気がする。ほんの一時のあたたかさ。いつまで続くか分からないけども、しばらくはもつでしょ。吐く息がいっそう白く、大きくなっている。カラフルな傘立てが頭の中を駆け巡っている。メリーゴーランドのような感じで、ぐるぐると。
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by 4n8f | 2007-03-11 19:24

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