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DecadeDecayedRealReel
いつだったか、水泳の授業の自由時間、私はよく水の中に潜っていた。潜水で泳ぐんじゃなくて、その場でプールの底まで潜って、上を見上げる。水面を下から眺めてみる。晴れている日はきらきらと揺れていて、それを見るのが好きだった。音も聞こえなくなる。上と下で世界がガラリと変わることが不思議で、楽しくて、その上泣きそうな気分だったのを覚えている。水の中だと涙はどんな風に流れるんだろうか。

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冬、春、冬…そして春、たぶん。冬の悪あがきを乗せた風は、部屋の中で想像していた以上に冷たく感じる。お天気キャスターがまじめな顔で寒くなりますと言っていたのを思い出す。ラップか何かでふざけて言ってくれたら気分も楽なんだけどな…よけいにイラッとするかもしれないけど。まあ、空気は冷たいけど、太陽の光は濃くなっている。

春コートを着たあとに冬コートを着なきゃいけないっていうのは、なんだか切ない。はしゃいでいたら先生に怒られたような気分になる。バケツの水をかけられたような感じ。暖かくなってくるとパステル系の柔らかい色があちこちで見られる。冬に戻ったような寒さが続くと、また色がなくなるような気がする。街が黒とかグレーっぽい印象になる。一度咲いた花が蕾に戻るってことはないと思うけど、そんな感じがする。

美術館に入ってみる。ナントカ展にも興味はないし、美術館そのものにも興味がない。いい絵とダメな絵の違いってどこにあるの? やたらと高い絵と値段もつかない絵の差はいったいなんなんだろう? 売れる売れないというよりはノリでつくっちゃいました、と言わんばかりのアート・ギャラリーはそこそこ見に行く。おもしろいorおもしろくない、それだけでいいから。値段がどうのこうのが見えると、途端に興味がなくなってしまう。美術館って高いものばかりを集めていると思う。偏見?

寒さから逃れるように建物の中に入る。急に暖かくなったせいか、巻いていたマフラーが鬱陶しくなる。コートも重く感じてしまう。外も中もちょうどいいくらいの温度になってほしい。ロビーの椅子に座ってマフラーを畳んでいると、家族連れが入ってくるのが見えた。小学生くらいの子を連れている。これも教育だからとか感性を養うとかそんな理由で親は連れてくるんだろうな。まあ、夜な夜な飲み屋に連れていくよりは健全だとは思うけども。

その女の子と目が合う。興味あるの? 女の子が立ち止まる。無表情ではないけど、笑顔というわけでもない、微妙な表情をしている。あの子くらいの年齢の子供が美術館にどういう気持ちで入るのか、私には分からない。離れた家族の方を見て、また私の方を見る。家族はロビーを抜けて展示室に入ったみたいだ。女の子は首を傾げると、家族の後を追って展示室に入っていった。どうかな? そんな声が聞こえそうな仕草だった。
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by 4n8f | 2007-03-17 19:22

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