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YouDon'tLoseAnything
辞めようかと思っているって言われたとき、最初は何のことを言っているのかよく分からず、そのうち意味が分かって慌てて、どうしてどうしてってまくし立てた。今思えば、部活を辞めるなんて、それほど人生の一大事でもないけれど、そのときのわたしたちにとってはとんでもなく重要なことだった。説得、説得、あきらめかけて、また説得。ここで辞めちゃったら、もうつながりはくなって、二度と話さなくなるんじゃないかっていう恐怖。と言うか、どう話しかけたらいいか分からなくて。わたしたちのつながりは一本だけじゃないのにね。それでも、そのころは、それしか見えていなかったんだと思う。ひとつなくしたら、それで終わる気がしていたのかもしれない。



それとは別に、こういうことをやりたいんだっていうような相談を受けたこともある。今いるところを辞めて、やりたいことをやろうと思う、っていうことだったと思う。けれど、なかなか辞める決心がつかなくて、ずるずると続けていた。そろそろ決めなきゃ、でもなかなか微妙なんだよね、と。やりたいことがあるんなら、それをやればいいんじゃない?って軽い気持ちで言った記憶がある。そうやって引きずるのって、たぶんずっと続くから。何も根拠があったわけじゃないし、自分が同じ立場だったら同じようにずるずるいっちゃうと思うけど、誰かにこうしなよって言ってもらったほうがなんだか決心がつくと思ったから。そのときの彼女の表情が印象的だった。もともと大きい目がさらに大きくなったようで、しばらく何も言わなかった。もしかしたら、共感するような言葉を予想していたかもしれないね。わたしも最初はそれっぽいことを言おうかと思ったんだけど、口をついて出てきたのは、別の言葉だった。わたしの言葉はどんなふうに響いたんだろう?

何本もの糸でわたしはいろんな人とつながっている。もちろん一本でしかつながっていない人もいるけど、がっちりつながっている人とは、太い糸というより、たくさんの糸が集まってつながっている気がする。そのうちのひとつが切れたって、つながりは消えない。部活が別々になっても、友達は友達のままだし。ってことをあのころの自分に言って聞かせたい気もするけど、すべてがなくなっちゃうんじゃないかって悩んだから、なくならないんだってことにも気づけたと思う。本当になくなる瞬間ってのは、否が応でも、悩む間もなく来るだろうから。
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by 4n8f | 2008-11-03 16:00

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