物語みたいなものを書いてみます。 |
絶妙な角度。私の好きな時間。明日になるには、まだ時間がある。今日はまだ今日の中にいる。私もまた、今日の中にいる。4つの時計が22時00分を示す。もう寝ちゃっている人もいるかもしれないし、まだまだ夜はこれからと息巻いている人もいるかもしれない。私はどちらでもない。強いて言えば隙間みたいなところ。夜と真夜中の隙間。まだ眠くないとおやすみなさいの隙間。このぎゅっと凝縮された時間が、私はとても好きなんだ。
いつもつけている腕時計は、財布と指輪といっしょにして、小さなテーブルの上にある。2年くらい使い続けていて、今ではしっくりくる感じがしている。逆につけていないと落ち着かないかもしれない。うすいピンクの文字盤は見る角度によってちょっとずつ濃さが変わって、ピンクと言うよりは赤っぽく見えることもある。モノトーンの服だったら、ちょっとしたアクセントになるし、ピンクでまとめればその一部になる。他の色と組み合わせても意外と違和感ないみたい。 机の上に置いてあるカレンダーには、時計がくっついている。プラスチックのケースに名刺くらいのカードみたいなカレンダーを差し込むもので、その中に時計が埋め込まれている。なんとかって言う人がデザインしたカレンダーで、月ごとにおもしろい写真とかイラストが見られる。今年いっぱいでもう使えなくなると思うけど、一目惚れ、衝動買い、直感で買ってしまった。角ばったケースの中に、丸いデジタル時計があって、数字はデジタルだからとんがっている。 壁にかけた時計はとてもシンプルなデザイン。針は白い長針と白い秒針のふたつ。文字盤はふたつのプレートが重なっていて、上にある黒いプレートが短針の形にくりぬかれている。下の白いプレートに「1」、「2」、「3」と書かれていて、上のプレートにある隙間から見えるようになっている。上の方がゆっくり回って「1」、「2」、「3」を見せていく、というつくり。世界のいろいろなデザインのものが紹介された展示に顔を出した時、わ、おもしろい!と思って、手に取った。 ケータイを開くと、デジタルの時計が目に入る。待ち受けにしているアニメーションがふにゃふにゃ動く。くるくる回ったり、ぐにゃっと形が変わったり、色も変わって、ちょっとおもしろい。時間によって違う形や色、動きを見せてくれるから、待ち合わせをして暇な時はぼんやり眺めていることもある。閉じると、小さな画面のところにネコのアニメーションが出てくる。毎回いろんなことをしているから、こっちも眺めてしまう。ぴょんと飛んだり、蝶にちょっかいを出したり。 時計に囲まれる。針が一秒一秒を刻むのを見るのも、デジタル時計の数字が一秒一秒変わるのを見ているのも、苦にはならない。ぼーっとしているとき、一秒のリズムに気分が落ち着く感じもするし。時間に追われることももちろんあるけれど、どうやったって時間といっしょに生活するのはやめられない。それだったら、この一秒一秒のリズムを楽しんじゃえばいい。
by 4n8f
| 2008-06-28 15:35
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