mtroom
物語みたいなものを書いてみます。
ブログトップ
GapOfDistortedLights
光の円が私に貼りつく。張りついては剥がれて、また違う円が私にまとわりつく。もう数え切れない。いくつも、いくつも、たくさんの、大きさの異なる円が、重なって、ずれて、点滅して、動いて、揺れて、消える。赤い円、青い円、緑っぽい円、白い円。ぐるぐる回って、部屋一面を駆け巡っている。何も聞こえない部屋の中で、光の円だけが忙しなく動く。妙に明るくなったり、妙に暗くなったり。壁に沿って歩いてみる。壁を背にして、向こう側の壁を見てみる。円が歪んで、円じゃなくなる。溶けるような感じで形を変えて、壁の中に吸い込まれるように消える。円が大きくなって、その中心からまた小さい円が生まれて、大きくなっていく。水面に広がる波紋をイメージする。今度はその波紋が逆に小さくなっていく。いくつもの円が小さくなって、中心に吸い込まれて見えなくなる。壁に映る光、床に映る光、天井にも円はうようよ動いている。少しずつずれながら重なっているのが見える。光と光の隙間は、黒く見える。黒い光なんて存在しないらしいけど、そんな感じのものをそこに見た気がする。音のない世界で、私は音を感じる。記憶の中で鳴る音。音に合わせて光が動く、光に合わせて音がテンポを変える。私の影もゆらゆら揺れる。私が揺れているのか、影が揺れているのか、どんどん分からなくなっていく。光と光の隙間が、黒く光る。隙間に手を伸ばす。いくつもの記憶が重なる。自分の手が光る。いくつもの光が集まって、いくつもの隙間が生まれて、私は今ここにいるんだって思う。
b0015553_1651163.jpg

[PR]
by 4n8f | 2008-11-24 15:37

4N8が書いていま、す
そのほか